たまに、ほんとにごくたまに、旅の途中つまらなく感じる時がある。
相性がいい土地じゃなかったり、単純に体調が良くなかったり。
ここ、選ぶんじゃなかった。
そんな風に思うときがある。
けれど実際は
本当にそこがつまらないんじゃなくて、
自分がつまらなくしているんだなって
途中入った店員さんの笑顔が素敵だったり
たまたま目があった人がにこって笑ってくれたり
目に入った看板になんだか気づかされたり。
そういうことを繰り返しながら
ああ。今わたしは、自分でつまらなくしていたんだなあと思う。
旅の醍醐味は慣れない場所でいつもとは違う何かを感じることにある。
道に咲いている花ですら見たことがなかったり、
湿度がほとんどなく乾いた土地に行き、そこの暑さを経験するだけでも
日本のじめっとした暑さとは違うと気づくだけで何かあたらしい発見がうまれる。
そうして旅の期間を通し、たくさんの発見があり、日本に帰ったときには
ああ、日本はこうだったなと改めて自分が普段生きている場所を確認する。
日常でも特段深い悩みがあるわけでもないのに
なんとなくもやっと元気がないときがある。
先日、仕事場へ向かうバスで久しぶりに違う側の席に座ってみた。
昔は左側によく座ってたな、この出勤時間は朝日が見えやすいから座っていたんだった、なんて思い出す。
いつから右側の席を選ぶようになったんだろう?
そう思い出したとき、自分の好ましいものを見たくなくて席を変えたことを思い出した。
そうして自分が嫌なシチュエーションを避けていたわけだけれど
それと同時に良さも見失っていたと思うと、また新しい発見を得た気がした。
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