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執筆者の写真Ayako

白鳥を追いかけて

ちょうど旅の前は疲れ切っていることが多い。 一年のいくつかのタイミングでそんな風に思うのか、いつもシフトが出てから飛行機の予約をしていた。



疲れ切っているほど大好きな景色に会いたくなるものだ。 冬の北海道は車なしでは周りにくく、足をどうするかとか宿のこととか先に決めたほうがいいことなんて山ほどあるのに、それをほったらかしにして釧路に飛ぶチケットを取った。




白鳥を好きになったのはいつだったろう。 釧路の冬。

はじめてカヌーをしたとき、タンチョウに出会った。あまりの美しさに息をのんだ。知床の冬でははじめてオジロワシとオオワシを見た。 今までもカモメをよく撮っていたけれど、鳥に惹かれたのはこの二つの出会いがあったからだろう。




そんなわたしが白鳥に魅了されたのは一度つがいになった白鳥は将来を共にすると知ったからだ。 冬を越しに訪れるはずの白鳥を夏に見たとき、そのエピソードを知ったのだ。 一羽が足をけがをし飛べなくなったので、もう一羽も帰らずそこを住処にしたのだという。あまりにも素敵な話に、一瞬にして大好きになってしまった。



この旅では屈斜路湖で白鳥を目にした。 群れをなして泳ぐ姿はとても美しい。硫黄の匂いに包まれた温かい温泉では食べ物を食べる姿も見られた。 湯があがり煙っている中にいる姿はなんとも幻想的で、仕事の疲れなんて忘れるほどだった。






自然というのは自分が見たい景色を見れるとは限らないけれど、 その造形の美しさは自分の想像通りになることなく、むしろ超えていくことが多い。 白鳥を見ながら、次は誰かとこの景色を見たいと思った。




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