バスの中、少しばかり生暖かい風が車内を抜けて行った。
少しだけ開いた窓から外を見ると住宅街にそっとある池が見える。
脇にあったもみじの葉を見て、緑色のもみじもとても美しいと思った。
梅雨のこの時期に木々がどんどん生い茂って
空が暗くても緑は明るくて
そんな夏に向けてどんどん成長していく世界の姿が好きだ。
雨の日のカラフルな傘の景色や
水たまりをよけて歩く感覚。
意識しなければ何気なく過ぎていくことも
記憶に残していきたいと思うとき、
自分の中の何かに触れているのだと思う。
家に着いたらちょうど雨が降ってきた。
窓に落ちる水滴も遠くに見える薄い光も
どれも同じ時間に存在していて
自分が目にとめるものでこの世界はつくられているのだと感じた。
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