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執筆者の写真Ayako

日常に花束を

いつからかお花を買うことが習慣になった。

近所のスーパーに買い物に行ったとき、バラが目に入った。

少し顔を近づけるだけでふわっといい匂いがする。

近くにあったカーネーションと合わせたらとても鮮やかな組み合わせで一気に惹かれた。







今まで市内にあるおしゃれな花屋さんでしか買ったことがなかったブーケ。

お花一本400円。

なかなか手が出ないお値段にテーブル用のブーケを見ては結局買わずに、お花を買うのは誰かに贈るときだけになっていた。




昨年ふと目に留まったとき、スーパーでは似たようなお花が一束200円から400円ほどだと気が付き、好きな色を選んで買って帰ることにした。




花が枯れる時期はそれぞれ違い、数本枯れて花瓶が寂しいな…と思ったタイミングで買い足すことを繰り返した。

週に一度、お弁当を買うくらいの値段でお花が手に入り、見るたびに心を華やかな気持ちにさせてくれる。




なんて心地のいい習慣なのだと思った。




祖母がお花を愛でながら育てており、花瓶に生けることすら叶わない私に育てるなんてなんとハードルが高いことだろうと思ったが、習慣になるとないほうがおかしくなり、いつのまにか当たり前の存在になった。







一度、あまりピンとこないお花を買ってきたら、部屋の中で違和感を感じるようになってしまった。赤い気分だから赤い花。そんな気持ちで選んだお花はそれ自体はかわいいのに、なんだか違う。




色はその時の心理を鮮明に表すものだけれど、その時の赤は私には重くて、結局二つの花瓶に分散させてなんとか落ち着いた。




こんなたった些細なことでも気持ちに影響するんだな、と自分の感覚が敏感になっていると気付くと同時に、お花が気づかせてくれるものがたくさんあるのだと思った。




日常に花束を贈ることは自分を幸せする。

お花の香りのようにその幸せがたくさんの場所に広がっていきますように。





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