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執筆者の写真Ayako

ムイネーへ


旅の目的地、ムイネーへ向かう。 バスはシンツーリストで予約した。昨年読んだ、沢木耕太郎著「一号線を北上せよ」にも出てきたシンカフェという旅行社がいつからか名前を変えたらしかった。




5時間先のムイネーまで約500円。ベトナムの物価は日本の3分の1と聞いてはいたが、それでもこれは安い気がした。

相変わらず窓から見える景色は原付だらけでいつまでこの光景が続くと思っていると、いつの間にかのどかな田園のような風景になっていた。

ベトナム航空のロゴにもなっている睡蓮が遠くに咲いている。こういう景色を見るとほっこりとした気持ちになるのはなぜだろう。

一度の休憩をはさむ以外はバスは止まることなく走り続けた。 スキムミルクが入った甘いベトナムコーヒーを飲んでいるといつの間にかもうムイネーに着いていた。






南米を旅したときに確信したが、わたしはバス旅が好きらしい。 5時間もバスに乗るなんて窮屈ではあるし、お手洗いも心配になるし、何よりもまず遠く感じる。 けれどあの都市部から目的地に向かう道中の景色を見るのがたまらなく好きだ。それは、この国のリアルな日常を垣間見ることができ、本来の姿はこんな感じなのかな?となんとなくではあるが見ることができるからだろう。


例えば以前訪れたドバイ。ガイドブックを見ても、テレビの特集を見ても、ほとんどがキラキラしたビルが建ち並ぶ都市である。けれど実際に行ってみるとそんなビル群はほんの一部で少し離れると砂漠地帯になる。少し離れなくとも、あの世界一高いビル、バージュハリファから見るだけでも一目瞭然。少し目線を遠くに移すと、そこは一帯砂漠地帯なのだ。

あんなに高層ビルが建っていたのがウソのように感じる。けれど実際はそちらの姿が元来のドバイの姿で都市のビルたちはやはり近年造られたものに違いはない。

もちろん、ベトナムにしてもドバイにしても、他の場所にしても、都市部の姿が嘘の姿なわけではない。どれも現在の姿であり、その国の一番栄えている場所であり、その国の象徴にもなりうるだろう。

けれどそうとは言え、飛行機で移動する点と点を結ぶ旅だけではこの感覚は生まれない。

色んな側面があり、たとえ感覚的なものだけであろうと感じらるのが地上を移動する醍醐味だと思う。

そして、旅をするからにはやはり移動してその国のいろんなものを吸収したい。

だから目的地に到着したときはとっても嬉しいけれど、もう着いてしまったのか…と、いつも思うのはその過程すら旅の楽しみの一部だからだろう。


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