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執筆者の写真Ayako

神話のふるさと、宮崎 - 高千穂峡 -


いつも頭の中には行きたい場所をストックしている。 ここに行くならここ、あそこに行くならここへも行きたい。

高千穂もそんな場所のひとつだった。

今はSNSやネットで検索すれば有名な場所はどこでも出てくる。だから、実際に行かなくたってある程度は想像できる。

それなのにどうして実際に行ってみたくなるんだろう。

わたしは自分が想像できないことや見るだけでは気づかないことがたくさんあると思っている。

中学生のときに行った中国でまず思ったことは“百聞は一見にしかず”だった。言葉通り、どれたけ話を聞いたってわからないことがあるとその時心の底から実感した。

それからはみんながいいって言っても良くないって言っても、自分が行きたかったら行くって決めてる。すぐに全て回れるわけではないけれど、いつか行くんだ!というその気持ちだけでとてもワクワクするんだ。

宮崎は大きく分けて南と北で随分と違うようだ。地図上で宮崎だけをじっくり見てみる。旅に出る前のこの地図を眺める時間がわたしは好きだ。まだ知らない何かが隠されている気がして。

こことあそこに行きたい。 この二つは近い?遠い? 同じ日に行けそう?難しそう?

そうやって取捨選択しながらも行きたい場所は第一優先で行くことにする。そうやって決めて行く作業も好きだ。地図を見て海沿いを走ると思うとその画面を想像したり。旅に出る前からいつもワクワクかいっぱい。そういう時間も全て旅の楽しみの一部なんだろう。

高千穂峡へは宮崎市内から二時間半ほど。案外簡単に行けるので安心していたが、行く前日にびっくりする話を聞いた。

その日のボートは朝の時点で定員になったらしい。

ボートというのは高千穂峡で必ずやってみたいことの一つだった。高千穂のあの高い渓谷を川から眺めることができる定番のアクティビティだった。 定員というのはどういうことなのか? その話を教えてくれたホテルの人に聞いてみると、その日の夕方の乗船まですべてが埋まっている状態というのだ。要するに午前の時点ですでに夕方18時に出発するボートの予約が埋まっているということ。

そんなに人気だったの? 妹と二人、明日は何時に出ればいいのだろうと逆算してみたが、どう考えても間に合いそうになかった。

高千穂へ行く当日、翌日が台風予報だったので心配していたが晴天だった。着くまでの二時間半は雨や曇りなどあいにくの天気だったが着いたときには晴れ。期待を膨らませながら高千穂のボート乗り場まで向かった。

駐車場からバスは出ていたけれどお盆の観光地はやはり混んでいる。地元の方に聞くとここは歩いて周るのがおすすめらしい。言われた通り、歩いて高千穂を巡ることにした。





森林の中をゆっくり歩く。川沿いを歩くのはやはり気持ちがいい。天気が良すぎてかなり暑かったが高千穂の幻想的な雰囲気がしんどさを和らげてくれた。都井岬でも感じたがやはり「神話のふるさと」言われるのがわかる。昔の古典で勉強したような少し鬱蒼とした雰囲気の中に凛とした渓谷がどっしりと構えている。何か不思議な力が発されているようにも感じる。



ボート乗り場に着いたのはもう11時を過ぎていた。行って見ると現時点で案内できる時間は17時発。 夜中から台風が来ると聞いていたので、遅くとも夕方までには宮崎市内へ戻ろうと思っていた。とても残念だったけれど、このアナウンスを見た瞬間潔く諦めた。

結局その後色々な人から話を聞いたところ、朝一のボートに乗るには前日入りしている人がいるらしい。そもそもわたしたちのスケジュールでは乗れなかったのだ。まさか前日入りしている人がいるなんて想像できなかったと未練なく諦められた気がした。


けれど、タクシーのドライバーさんもその後体験したディンプルアートのお店の方もみんなこぞってボートがおすすめだという。

“あの眺めはやはり特別ですねえ。季節が違えばまた雰囲気が変わってよいですよ。”

こんな風に言われるとまた来なくてはと思ってしまう。 やはり地元の人に話しを聞くとどんどん興味が湧くものだ。


また行きたい!そんな風に思わせてくれるとても魅力的な場所だった。

次はいつ行こう?

大好きになった宮崎を再訪する日はそれほど遠くないかもしれない。


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