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執筆者の写真Ayako

北海道


北海道を初めて一人旅したのは2011年のことらしい。

らしいというのは、もう随分の前のような気がして、調べるまですっかり忘れていたからだ。

初めての“とほ宿”。初めての相部屋。

今思えばシーツの使い方などを教わったのはこの時だった。

“バックパッカーっぽい!!”

一人で勝手にうかれていたのを思い出す。



思えば初めて知床へ行ってからは行くたびに「今回は何回目の道東」と言って必ず数えていた。いつからか、そんな風に数えることもなくなるほど北海道、特に道東へ行くことは当たり前のようになっていたと思う。

ガイドブックに載っている場所が名所かといえばそうではないように、行くたびにこんな場所があるんだという発見は私を道東へと運ばせた。

夏は休みの人も多く、本州の人にとっては避暑地にもなる。そういう意味で夏が単純に観光シーズンなだけで、夏だけが北海道の魅力ではないこともわかった。 ずっと大阪に住んでいる私とは季節の感覚がまるで違う。桜の季節もコスモスの季節も。息を吐いたら白くなる時期も大阪とはまるで違った。 まだ達成していないけれど、12ヶ月分すべて行くのが夢だ。 一旦やめてしまったけれど、私は未だに住むことを夢見ている。達成するまで私の夢であり続けるだろう。 どうして北海道にそんなに行くの?と聞かれたことがある。 “遠距離恋愛中で、北海道に彼氏がいるのかと思った!!”なんて言われたこともある。 確かにそんな風に言われてみれば、そう思われてもおかしくないかもしれない。

けれど私の答えは“単純にこんな素敵な場所の四季折々の姿を見てみたい”という、ただそれだけだった。

春はまだ冬の気配が残っている。春らしく少し暖かくなった雰囲気の中で少し雪が残った景色は格別だ。




夏は青々とした山々、木々も空も海もすべてが生き生きしてみえる。時折道路沿いの草がイキイキしすぎて見えにくいほど生命力を感じる。






秋のあの霜が降りた朝の静けさが好きだ。朝日が登る前のあのシンとした中に寒さを感じる時間。空気が澄んでいるからグラデーションカラーの空はとても美しい。





冬の流氷も川からみた雪景色も、雪で覆われた湿原も壮大だなんてそんな一言では表せないくらいの景色だった。







こうして過ごした後はっとする。じゃあ春は春でも5月ごろはどんな景色なんだろう。雪が溶けたあとの夏になる前の北海道は?本当に梅雨がないの?

大阪では7月に一番見ごろを迎える百合が北海道では8月末にも見ることができる。じゃあ他のお花の季節はどうなっているんだろう。

10月頃の大阪はまだ暖かい日が続いている。けれど北海道では峠の道路がどんどん封鎖されて通れなくなるらしい。そんなに早い時期から道路は凍結するの?初雪はいつ頃なんだろう。

こうして春、夏、秋、冬訪れてもどんどん疑問が湧いてきた。一度考えると止まらなくなる。実際に行きたくなる。知っている人の話が聞きなくなる。

“この時期のこの場所がおすすめだよ。”

そんな風に言われるたびに居ても立っても居られなくなってしまう。 北海道は先日の地震で観光業が大打撃だそうだ。 “北海道への応援は、来てくれることが一番嬉しいです。” SNSで見かけるたび、次はいつ行こうかといつも頭の中には北海道がある。


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