エトナ山は今まで見かけたことがないような場所だった。裾野は木々もあるが、だいたいがごつごつした岩だった。帰国後調べてみるとしょっちゅう噴火しているらしく、たくさんの転がっていた岩は噴石だったんだろうか?
シチリアに着いてからずっとエトナ山を遠くに見ながら進んでいたけれど、山というのは登山は別として見るのは間近よりも遠くから眺めるほうがわたしには合っているようだ。そこにどしんと構えてくれている存在を見て安心するのだ。
タオルミーナでは晴天だったのに、山は残念ながら曇り。ロープウェーで登ってもあまりいい景色は見られないのではと思い、下で楽しむことにした。
シチリアに来てから二度目のアイスクリームはピスタチオ。ここからわたしのピスタチオ好きが始まった。濃厚なクリームは甘くもなく、しつこくもなく絶妙な味をしている。決して造られたような味でもなく、素材を生かしているようなそんな味がした。
麓でやっていた露店にはジャムやはちみつなどが売られていて、その中にもピスタチオクリームがあった。他のお土産屋さんにも売っていたけれど、試食しておいしかったこの店のものを自分のために購入することにした。帰国後、パンにつけて毎日食べていたらすぐになくなってしまい、その後もピスタチオと付くものを見ると思わず手に取るほど好きになってしまった。ちなみに今もなおその習慣は続いている。
そんなわけでシチリアでの滞在はやはり短すぎたように思う。魅力を語るにはいつもにも増して表面的になってしまうし、マルタに比べると早足すぎて印象が薄かった。締めがピスタチオの話だから想像してもらえるだろうけど。
次はせめて数日は滞在し、島中にちらばる遺跡も訪れたい。そしてシチリアの魅力をたくさん語れるようになりたいな。