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執筆者の写真Ayako

初めてのヨーロッパ マルタ共和国


やっぱりマルタだね。

母との久しぶりの旅は最終的にマルタに決まった。 初めてのヨーロッパはなんとなくドイツだと思っていたから予想は外れてしまったけど、きっとこれもこの時に行くタイミングだったんだろう。


一緒に旅することは南米一ヶ月の旅に出る前から決まっていた。 どこに行くか候補地を挙げておいてね。マメな母なのでそう頼んでおいたが、母にしては珍しくわたしがちゃんと南米から帰ってくるか心配で、帰国後尋ねてもなんにも決まっていないという返事が返ってきた。聞けば帰ってくるまで気が気じゃなかったと言う。正直かなり意外だった。父も母も帰国時の私があまりにも元気すぎて拍子抜けしていたのはこういう気持ちだったからだろう。

さて、南米から帰国して二ケ月後に訪れたマルタは南米とは全く印象が違ったけれど、上空から島が見えたときから一気に惹かれてしまった。島全体が同じような色で統一されており、地中海も今までに見たことがないような青い色をしている。


ドバイから約9時間もかかっての到着だったから島が見えた瞬間、それはもう嬉しくて嬉しくて。初めてのヨーロッパが間違いなく良い旅になることは、この瞬間決まっていたかもしれない。


どんな場所にも憧れている場所というのは存在する。 けれど、マルタといえばなんとなくあの同じ色をした建物が並んでいる場所…しかもそれが確か世界遺産で…と、そんな感じだった。ずっと行きたい国リストには入っていたけれど、そもそもヨーロッパ自体にそれほど興味がないわたしは地名や観光地の名前を憶えているはずもなく、旅先を決めたのもいつもの勘だけで進み、最終的には縁があるところに行くでしょ!とばかりに、事前にろくに調べもせずそれは母が担当してくれることになった。 地中海というのがあんなにも美しいと知っていたなら、わたしももっと海に興味を持って調べていただろうし、それなりの用意をして旅をしに行っただろう。老若男女問わず派手な水着を着てビーチで楽しんでいるとわかっていたなら、水着も真っ先に買っていたと思う。海のある場所に行くにも関わらず驚かれるかもしれないが、それほど海で泳ごうとは思っていなかったのだ。




そんなあまり調べずに向かったマルタだったが、自分が思っていた以上にお気に入りの場所になった。小さい島だから十分に周れるだろうと思っていた予測も大きく外れ、帰国後何週間にもわたって、「また行きたい。また行きたい。」と次に行く時を妄想しながら母とプランニングしたものだ。

そんなマルタを訪れてからいつの間にか一年も経ってしまった。ゆっくり思い出しながら今回は綴っていこうと思う。


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