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執筆者の写真Ayako

摩周湖から見る夕焼け


「霧の摩周湖」。 そんな風に言われるほど、霧がかかることが多いらしいこの場所で、私は一度も霧を見たことがない。


今回も見事な晴天。湖の上空には雲ひとつない青空が広がっていた。

わたしは晴れ女だ。

昔からずっとそう思っていた。雨季の南米に一ヶ月いたときも一度も傘をささなかったから、以前よりも確信している。けれど、今回は霧が見たかったな。なんとなくそんな風に思った。

ところで、霧の摩周湖と呼ばれているけれど、わたしが見る限り摩周湖には青空が似合う。 空が青い分、摩周湖の水面も青く見える気がする。

湖の周辺には白樺がたくさん生えている。それも一層青空を引き立てる。

毎度見るたびに感動する、わたしの大好きな景色だ。




わたしのお気にいりスポットは第一展望台にある登山道。

お気に入りではあるが、登山をするわけではない。第一展望台からスタートする道に少しだけ入り、展望台からは見えない景色を堪能するのだ。もちろん、少しだけ入ってすぐに戻る。このあたりは熊が出るので注意が必要だからだ。

景色というのは少し場所を変えるだけでも見違えるほど変わる。

ちょっと視点を変えるだけでも、こんなにも見え方が違うのか。

そんな風に気づかせてくれるのは、旅の途中よくあることだ。


もう一つのお気に入りは第三展望台。ここから見る夕焼けは絶景で、今まで見たいろんな景色の中でもベスト10に入るんじゃないかと思う。それほど印象に残る景色だ。

そんな素敵な景色に一度でも出会ってしまうと、たまに不思議な感覚におそわれる。

時折思い出してはその時間に戻ってしまいそうになる。

あの時間、あの場所にいたことが鮮明に思い出され、たまに自分がどこにいるのかわからなくなるのだ。

そんなふわふわした感覚を常に纏うのはあまりよくないのかもしれない。けれど、普段地に足をつけて踏ん張る現代人にはそんなちょこっとした浮いた時間も必要なんだと思う。

太陽が沈み出し、摩周湖周辺を照らし出した。太陽そのものも美しいが、光に照らされた大地はもっと美しい。









この時間を過ごすために、きっとまた来る気がする。

それまではこの瞬間を思い出し、ふわふわした感覚に浸ろう。


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