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執筆者の写真Ayako

3:47


夜明け前が一番美しい。

朝日を見に行くたびにそう思っていた。


美幌峠に朝日が昇るのは3:47。 2時半に起き、3時過ぎにはホテルを出た。

美幌峠の展望台には10分ほどで着く。 少し早めに出たのは夜明け前の時間がとても静かで、とても特別で。 なんとも表現しがたいその雰囲気の中にどっぷりと浸かりたかったからだ。

約10分とは言え、美幌峠まで続く山道は絶景と呼ぶにふさわしいほど美しい景色だと思う。高い木々の草と草が互いに重なりあい、それがトンネルのように長く続いている。そこを抜けるとあとはひたすらカーブの道が続くが、時折目に入る屈斜路湖がドライバーを癒してくれる。

そんな普段から美しい道ではあるが、この時間は特に特別である。夜が明ける前の空は左側は真っ暗なのに、右側はブルーのグラデーション。光が混ざってたまに赤や金色、時々白に見えることもある。この色は日中では見れないとても特別な色で、魔法にかかったみたいといつも思う。

上のほうに進んでいくと少し霧がかかっている。それに加えてこの時間は動物も多い。明け方や夕方はいつもよりも注意が必要なのだ。くねくねした道をいつも以上に慎重に進む。前にも後ろにも車はいない。この場所には自分しかいないような不思議な感覚になる。 そんな特別な時間を過ごせるのが夜明け前だと思う。

「今日は雲海に浮かぶ朝日が見える。」

そう確信したとき、なんて恵まれてるんだろうと思った。

雲海が見えるハイシーズンは6月から。5月の末だったからか、それとも普段からこうなのかはわからないが、私を含めて4組しかいなかった。大阪と比べると1時間も日の出が早い。朝というよりも夜中のような感覚。毎度起きれるかな、こんな時間に起きてまで見に行ったほうがいいのかな。 そんな風に思うことさえあるが、そんな考えは一瞬で吹き飛ぶほどの時間が待っている。




遠くの山から朝日が昇ってきた。 鳥たちの鳴き声も一気に大きくなってくる。










今日も素晴らしい景色を見せてくれてありがとう。

美幌峠は道東に初めてきた際、真っ先に来た場所。 毎度パワーをもらえる、大好きな場所。

誰にとっても特別な場所があるように、ここはわたしにとってそんな場所であり続けるんだろう。


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