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執筆者の写真Ayako

憧れの地 イースター島へ


この旅一番の目的地はウユニ塩湖とイースター島だった。南米はたくさん魅力的な場所があるけれど、それでもこの二ヶ所はわたしにとってとても憧れている場所だった。特にイースター島はモアイに魅了されずっと行きたかった場所ではあったが、映画「180°South」を観てからはよりその思いが強くなっていた。映画の中でサーフィンをしている人が出てくるのだが、それまでモアイばかりのイメージだったわたしにそれ以外の魅力を教えてくれたのがこの映画だった。




そんなイースター島は4泊5日の日程で訪れた。もっと滞在したかったが、イースター島へ行くフライトチケットはとても高価であり、島の物価も南米としてはとても高い。そんな理由から4月頭の一番安い日を狙い予約した結果この日程に決まった。わたしにとってイースター島は行く前から特別な場所であったが、もしかしたらそんな気持ちはイースター島へ行く人みんなが抱いていた気持ちだったかもしれない。飛行機に乗ったときを思い出すと、あれほど歓声が上がった機内は初めてだったからだ。



到着前、島が見えた途端機内にいる人々はざわつきだし一斉に窓のほうを見た。到着したときには何事かと思うほどの歓声、そして大拍手が沸き起こったのだ。みんなの喜びでいっぱいだった機内からして、誰しもこの場所に憧れを抱いているのかもしれなかった。

実際わたしもとても大げさではあるが、到着したときには涙が出てくるほど嬉しかった。(そんな涙の理由は他にも原因があったのだが…)

空港に着いた途端まず目に留まったのは緑の多さだった。空港はモサモサ、フサフサの木々に囲まれていた。あまり南国というイメージは持っていなかったが、飛行機から出た時のあのむわっとした暑さと南国の雰囲気が今となればとても懐かしい。飛行機から出た瞬間のあの期待でいっぱいだった気持ちはつい最近のことのようだ。




そんな期待でいっぱいだったイースター島初日の印象は最悪だった。旅の前半は高地というなかなかハードな場所だったことに加え、季節は場所によっては雨季、そして秋ということが重なり訪れた場所によってはかなり冷え込んでいた。これまで寒い場所を旅してきたせいか、いきなり暑くなったことに体がついていかず、そうでなくても夏が苦手なわたしはかなりバテていた。そして、そんな中町に繰り出し初めて入ったレストランでは愛想が悪い上に味は普通、しかも値段は離島というだけありかなり高かった。


また、イースター島のわたしのイメージは海に囲まれた孤島であった。そしてそんな孤島にはモアイが並んでおり、昔ながらの島国が残っている…そんな場所を思い描いていた。要するにわたしのイメージは素朴な島そのものだった。けれど、初日にわたしが目にしたイースター島はまさに観光地というテンションで、正直かなりがっかりしてしまった。思っていたよりもリゾート地すぎる…それまで都会でもなければリゾート地でもなく、どちらかと言えば不便な場所を旅してきただけに、このイメージの違いにがっくりときてしまった。




加えて、この日の朝はサンティアゴの空港でずっと不安を抱えていた。イースター島行きのフライトチケットはちゃんと取っていたのに、空港発券時になぜか席を与えられなかった。オーバーブッキングかと思ったがそれは違ったらしく、ただ単に席が決まっていないと言う。けれど、チケットはあるのに席がないなんてどう考えてもオーバーブッキングじゃないの?と思ったが、カウンターの人はそうではないと言い切り、とにかく飛行機に乗る前に席が決まるからその時に確認して!の一点張りだった。実際、搭乗前に席は決まったけれど、こんなに楽しみな場所へ行けなかったらどうしようとかなり不安になった。しかも、この日のフライトは初めてのLATAM航空。この旅は長旅だったので長距離バスなどを極力利用していたが、本来は大の飛行機好きである。LATAM航空は世界で一番乗りたかった飛行機だった。

あんなに楽しみにしていたのに乗れないかもしれない…しかもイースター島へはLATAM航空でしか行けないのに…

イースター島に行けないかもしれないという思いと憧れていた飛行機に乗れないかもしれないという両方の気持ちが合わさり、かなり気持ちが沈んでしまっていた。


そんないくつもの、今思えばさして大したことでもないことが立て続けに起こり、初日からモアイに出会ってテンションが上がっているはずの自分とはかけ離れた状態だった。

けれど、気持ちを入れ替えた翌日からは素晴らしい景色が待っていた。今思い返してもイースター島はやはり素晴らしかった。とても遠い場所ではあるがやはりまた行きたい場所であり、特別な思い入れのある場所になった。


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