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執筆者の写真Ayako

地球の裏側の小さな町 ボリビア・コパカバーナ


チチカカ湖畔にあるコパカバーナ。 先を急いでいたため、わずかな滞在となってしまったけれど、かわいい町並みと穏やかな雰囲気は印象強く残った。今振り返ればここでもう少し多くの時間を取れたと思うが、その時のそんなちょっとしたことが案外難しく、できないものだ。




ボリビア側からもチチカカ湖へ行きたかったけれど、結局お腹が空いていたわたしはWi-Fiが使えるカフェに入った。 旅をしていていつも思うことがある。それはやっぱり人との関わりが旅の一瞬一瞬を作っていること。 テレビや写真で何度も見ている場所であっても、自分がそこにいないうちはやっぱり外からの情報でしかない。実際にその国の人を前にし、その場所の空気を感じる。可愛らしいカフェも結局人がいなければ“ただの可愛いカフェ”で終わってしまうが、控え目な笑顔の奥に、とても優しい目が印象的だった店員さんを見て、そんな感情が沸き起こった。




一人旅ほど気楽なものはない。 不安ではないのかと聞かれるたびに、もちろん不安だと思っていたし、心配がないわけではないと思っていた。けれど、人と人が関わるときほど自分の感情が動くことはないと思う。だから不安なんていう感情よりも、誰かと交わうことで生まれる感情ほどめんどくさいものはないと思っていたからだ。 一人旅が気楽だと思うのは、感情の波が緩やかだからだろう。好き勝手にしたら良いし、自分の赴くままに行動したらいいだけだから。でも世界と関わるうちはやっぱり誰かとの関わりが生まれる。そういう時間を持てる今の自分の時間をちゃんと大切にしていきたいと今ならはっきりとそう言える。

本当に一人だったらイライラすることすらないのだろうけど、誰かと関わって腹が立ったり悲しくなったり、その時はじめて自分の感情が動く。美しい景色を観れば心は踊るし、印象にも残る。そして、誰かと共有したくなる。けれど、人と人が交わって関わるときの感情ほど揺れるものはないんじゃないか。もし本当に一人ならば寂しいという感情も生まれないだろうし、世界に誰もいなければ共有という言葉も生まれないだろう。

世界中には色んな人がいて、色んな文化がある。違うからこそ面白く感じるし、深く知るほどにもっと相手のことが知りたくなり、その先の世界が見たくなる。そんな風に感じるのは、人との出会いの延長線にすべて起こっているからだと考えるようになった。 そして無意識にWi-Fiを探すわたしも結局誰かとの繋がりを常に持っていたいのだと気づいた。こんなにネットが当たり前になった今もなお地球の裏側で日本にいる人たちと繋がれることが不思議でならなかった。一人で旅していても、旅の途中これだけの感動があればやっぱり共有したくなるし、近況を話したくなる。日本のことも相手のこともやっぱり知りたいという気持ち。こんなことをわざわざ考えることはなかったから、これは旅をしたからこそ考えたことなのかもしれない。


初のボリビアでの食事はハンバーガーとカフェラテを選んだ。ペルーでの食事が合わなかったので警戒していたが、思ったよりはおいしかったように思う。あっという間に時間になりバスに戻ると、再びフランス人と知り合った。今まで自分の世界にフランス出身の人と関わることはなかったのに、南米に来てからすでに二人も関わることになるなんて。人生って本当にわからないと思った。 いよいよバスはラパスへ向けて出発。長年夢見たウユニ塩湖はもうすぐだ。


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